労働契約書とは
雇用主と労働者の間で取り交わされる、労働条件を明示した書類。労働基準法第15条により、書面交付が義務付けられています(メール・PDF可)。口頭のみで契約させる職場は要注意。
必ず明記されるべき5項目
労働基準法施行規則で絶対的明示事項として書面化が求められているもの:
- 労働契約の期間(無期 or 有期)
- 就業場所・業務内容
- 始業・終業時刻、休憩時間、休日、就業時転換
- 賃金(計算方法・支払時期・締日)
- 退職に関する事項(解雇事由含む)
チェックリスト
① 給与・支払条件
- 時給/日給/月給の具体的な金額
- 試用期間中の時給差(あれば期間と差額を確認)
- 残業代・深夜手当・休日手当の計算方法
- 給与の締日と支払日(「月末締め・翌月15日払い」など)
- 振込手数料の負担(労働者負担なら違法の可能性)
② 労働時間
- 1日の所定労働時間と休憩時間(6時間超は45分、8時間超は60分以上必須)
- 1週間・1ヶ月の所定労働日数
- 残業の有無と上限(36協定の範囲内か)
③ 契約期間
- 有期契約か無期契約か
- 有期の場合、更新の有無・基準(「業務量による」など)
- 更新上限(「通算3年まで」など)
- 2024年4月から「無期転換ルール」の説明義務化
④ 社会保険・福利厚生
- 健康保険・厚生年金・雇用保険・労災保険の加入有無
- 有給休暇の付与日数
- 退職金制度の有無
- 各種手当(交通費・住宅手当・家族手当)
⑤ その他
- 就業場所の変更(転勤)の可能性
- 業務内容の変更可能性
- 副業・兼業の規定
- 秘密保持・競業避止義務
- 退職時の手続き・期間
サイン前に必ず聞くべき質問
- 「契約書の控えをいただけますか」
- 「不明点があった場合の相談先はどこですか」
- 「シフトの提出方法と希望反映の仕組みを教えてください」
- 「研修期間中の業務内容と時給を教えてください」
怪しい契約書の特徴
- 給与金額があいまい・記載なし
- 「業務委託」と書かれているのにシフト・指示は雇用と同じ(偽装請負)
- 過大な違約金・損害賠償条項
- 「異議申立てしない」など労働者の権利を放棄させる条項
- 控えをくれない・写真撮影禁止
トラブル時の相談先
- 労働基準監督署:賃金未払い・労働時間の違反
- 総合労働相談コーナー:労使トラブル全般(無料)
- 各都道府県の労働局:労働条件・解雇相談
- 弁護士・社労士:契約内容の事前チェック
契約後にトラブルを避けるための保管書類
- 雇用契約書(控え)
- 給与明細(最低5年保管)
- タイムカードの記録(写真撮影でOK)
- 業務指示・パワハラ等の証拠(LINE/メール)
- 有給休暇の取得記録
契約違反があった時の対応
給与未払い・残業代未払い・パワハラ等の違反があれば、まず労働基準監督署(無料)に相談。総合労働相談コーナー(各都道府県労働局)でも無料相談可能。証拠(契約書・給与明細・録音)が揃っていれば、是正勧告→改善命令の流れで会社に圧力をかけられます。深刻な場合は弁護士へ。